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ジゴロ・イン・ニューヨークの&yのレビュー・感想・評価

3.7

【2014/7/14:シャンテ】
ヨボヨボなのに枯れてないウディ。笑いました。予告にもあった爆笑シーンは開始5分ほどでさっさと見せ、スピーディにテンポ良く飽きないし、ウディのコメディアンっぷりとかタトゥーロのニシノユキヒコっぷり(フェロモン過多)とか観ていて楽しい。けど、観終わるとなんとなく物足りず、ウディ・アレン以外印象に残るものがない。
無意味とわかりつつウディ・アレンのつくるコメディと比較してしまうと、やはりアイロニカルな要素が圧倒的に足りないかと。いや別に、皮肉な話にする必要なんてないのだけど、明らかにその要素の方向性を以って進んでくので、こっちも期待しちゃうし。
全編に流れる音楽はウディ映画同様ステキだけど、おしゃれコメディのおしゃれBGMとして普通にステキに響いちゃってる感じ。ウディ・アレンの作品は音楽も美術もとってもオシャレでステキだけども、それはそもそもオシャレさせなきゃ目も当てられないレベルのアイロニーを描いているからであって。洒脱な紳士が着飾るのと、皮肉屋が着飾るのとでは全然違うんだな、と。どっちが上とかじゃなく、単純な個人的嗜好の話。
しかしタトゥーロはなぜ、NYの本屋でポン引きなどといういかにもな役柄をウディに依頼したんだろう?ウディ・アレンの映画にしか見えない(かつ容易には越えられない)ことなんて2億くらい承知だったでしょうに。まあ、そんなこんな含めつつのウディ・アレン起用そのものが、この作品最大のアイロニー、なのかも。あと、フレンチロリータの加齢も。

タトゥーロ=ピスタチオ、異議なし!
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