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ロバート・デ・ニーロ エグザイル/ビーイング・フリン 〜僕と父さんをつなぐもの〜のchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

3.0
ダメ男がそのさらに上を行くとんでもダメ親父との交流を通して人生を見直す物語です。スローペースで進んで丁寧かに見せかけてなぜかめちゃくちゃ雑な仕上がりで全く心に染みず、終盤のいい話展開・いいセリフも説得力ゼロでなんとも安っぽく思えてしまった残念な作品。自伝的小説が原作、つまり実話ベースなので本当はそんな安直物語なはずないんだろうけど。

俳優は豪華。ロバート・デ・ニーロはどんなに頑張って演技しても究極のダメ親父には見えない。きちんといい人感が透けて見えてしまう。ポール・ダノも繊細なところは似合っているけどやっぱりそんなにダメ男にはみえない。ジュリアン・ムーア演じる母も実像がよくわからない描かれ方のせいで、別にジュリアン・ムーアである必要がどこにもない。施設の職員にTVドラマHow to Make It in Americaの愛すべきCamを演じたヴィクター・ラサックが出てきてテンション上がったが全然その愛すべきキャラオーラが活かされずただのモブキャラと化してた。

あと、邦題とポスターどうした(笑)... 普段、filmarksで邦題に対する皆様のツッコミをみていると、私はたぶん平均よりも邦題にはかなり寛容だと思う。が、これはないわ。作品を理解していないとかいう次元の問題ではなく、映画の内容を欠片も反映していない、いや、どうみても別の映画を観てこの邦題とポスターを作ったとしか思えない。

振り返ればすごくいい話なので、脚本書き直し俳優チェンジしてリメイクしたらめちゃくちゃ素敵な作品になりそうだなと思いました。
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