MasaichiYaguchi

誘拐の掟のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

誘拐の掟(2014年製作の映画)
3.3
この作品を含め、主演作品が連続して公開されたり、年頭に公開された作品のレンタルが先日開始されたりと、このところリーアム・ニーソンが「お祭り」状態になっているが、ジャンルや設定が違っても、どの作品にも金太郎飴のように同じリーアム・ニーソンの「顔」が現れる。
初めはやさぐれ駄目オヤジでも、強敵が立ちはだかったり、ピンチに陥ったりすると、どんどんタフで精悍な面構えとなって、苦み走った燻し銀の男の魅力を発揮していく。
本作では、2000年問題で掴みどころのない不安が社会に漂っていた1999年のニューヨークを舞台に、元刑事の私立探偵である主人公が連続猟奇誘拐殺人犯を追い、そして対決していく。
シリアルキラーを扱った作品なので、口当たりは決して良くない。
そういう救いようのない闇の世界で、己の信念と正義を主人公は貫いていこうとする。
アクション俳優づいているリーアム・ニーソンだが、同じ60代のブルース・ウイリスやアーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローン等のような現実離れしたスーパーヒーローではなく、リアリティーのあるオジサンヒーローという点が、このところ数多くの作品に出演しているという人気の秘密のような気がする。
この作品では、リーアム・ニーソンに絡む黒人少年TJが殺伐した展開の中で良いアクセントとなっていて、終盤では思わぬ活躍をしたりする。
この少年を演じたラッパーのブライアン・“アストロ”・ブラッドリーと人質少女役の美少女、ダニエル・ローズ・ラッセルという10代の二人が、重く澱んだ作品の中で救いや希望を感じさせてくれる。