未来予知ができるクライムサスペンス、と書いてしまうと底がしれてしまうが、この作品はそこには焦点はあてておらず、あくまで舞台装置として使い、描きたいテーマをうまく表現していると思う。
生とは、死とは。
人が生きるという事はいかにして死を受け入れるか、もしくはもがき苦しむか、にほかならない。
ソウに通じる犯人像と思想、レクターを思い出させる陰鬱さ、断片的に見える画と悲惨な結末。それをうまくリアリティのある事件に乗せており、そこにまったく違和感はない。それどころかやや前のめりで展開を追ってしまい、見事に騙されながらも、それもまた心地良いと感じる。
キャストや展開によりどうしても他の作品を思い起こしてしまうため、もう少しオリジナリティは欲しかったかも。個人的には最後までニーガンが払拭出来なかったのは修行不足(笑)
繰り返しになるが未知の力にフォーカスせずにここまでリアルな作品に仕上げたのはお見事。アマプラでみれるので時間があればぜひどうぞ。