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追憶のTrueRyのレビュー・感想・評価

追憶(2017年製作の映画)
3.5
少年時代、自分たちが起こした事件を機に、秘密と事件の重さを抱える事になった3人が、25年後に再び見まえる事になるのだが、それぞれ事件を追う刑事、被害者、容疑者、としてだった。

冒頭から中盤にかけて、ずっと重い空気が漂っており、それが払拭される気配もなく、どんよりとした展開と心理描写が続く。過去の秘密とそれに対しての向き合い方、そしてそれぞれの家族が中心になるのだが、後半まではわりと一辺倒で、救いのない内容となっているので、正直誰にも感情移入できない。

少し個人的な話になるが、私自身、小さい命を失う経験をしており、四方夫婦が経験した体験、そして病院でのシーンからがらっと印象と受け取り方がかわる。四方が自分の人生や今までを受け止められるようになってから、ようやく事件が本当の意味で動き出す。今の事件をおいながらも、彼はずっと過去をおっているのだが、その着地の仕方は非常に心地よく、救われたと捉えられる内容には一定の評価をしたい。

その最後の着地までがややもったいない。時間の短さなのか、見せ方なのか、他人事として受け取ることしかできないので、遠回りしている感じ。だが、前述の病院のシーンは私個人には響くものだったし、失った人に対しての救い、にはなるかもしれない。そう感じながら見ている私も痛みを伴いながらも、まだ受け止めきれていないのかも、とも。※もう15年ほど前の話です。

作品としては評価が難しいところもあるが、過去の受け取り方、そこへの対応と行動、はよくできていると思う。3者それぞれの捉え方と考え、そして今と昔が大きく影響している、というところは、人生の難しさと、前を向く重要性と、大事な人と何を共有するべきか、を教えてくれる。
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