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薄氷の殺人のkunicoのレビュー・感想・評価

薄氷の殺人(2014年製作の映画)
3.0
犯罪の謎解きも中盤にはひと段落つき、ではこの映画で描きたかったこととは何なのだろう、と。

然程カタルシスのある結末を迎えなかった犯人逮捕劇の後に待っているのは男と女の映画では無いか。

ただ、私は男の気持ちに寄り添うことも理解することも難しく、それに応える女の感情も読み取ることが出来なかった。
説明的でなく、人が人に惹かれる衝動を静かに捉えているようだった。

鮮やかなネオンに照らされる白い雪が、怪しげな雰囲気を作り出していて何とも言えない。
錆びれた冬の街が醸し出す空虚感も印象的だ。
1999年から2004年にタイムスリップする瞬間も見応えがあり、川端康成的だった。
あの突飛なエンディングには驚かされつつ思わずふっと笑ってしまった。
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