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NINEのkunicoのレビュー・感想・評価

NINE(2009年製作の映画)
3.7
ファーギーがカッコよかった以外の感想を思い出せずイタリア渡航前に再見。
フェリーニの元ネタは未だに知らないのだけど、20代も半ばに観た時と今ではだいぶ見方が変わったと思う。

何が一体何故そんなに主人公の男はこんなにもモテるのかという疑問は残るが「イタリアでは男が主導権を握っているようで実は女の掌の上」をまんま体現している物語。
スランプ続きの男が仕事に家庭に悲しき性に追い立てられ、果てに破綻をきたす、そして再生までを描くドラマだ。
幼少期の思い出が白昼夢のように現実世界と交差し、男の脚本作りにインスピレーションを与えるかと思いきや、次から次へとトラブルが起こりやがて映画作りは行き詰まる。

過去を背負いながら、過去を味方につけながら前に進んでいくラストに余韻を感じることのできる大人になった。
とはいえ「シカゴ」と比べて楽曲のパンチは弱いし、豪華キャストもイタリアならではのロケーションも活かしきれて無い感があってミュージカル映画としては今ひとつかもしれない。
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