しゃにむ

PAN ネバーランド、夢のはじまりのしゃにむのレビュー・感想・評価

3.0
「人の夢は!!!!終わらねェ!!!!!」(CV 大塚明夫)

夜な夜ないたいけな子供を舞空術なる奇術でたぶらかして連れ去り、良からぬ考えを吹き込みピーター・パン・シンドロームに陥れる治療法を編み出した、頭の中に東京ドーム10万個分もの広大なお花畑を所有すると噂のアンチ・エイジングの世界的権威・ピーター・パン氏がまだ一般ピープルだった幼少期にネバーランドとかいう(粘り気が凄そうな)施設で体験したスペシャルなノウハウを貴方にだけ伝授します。これを観れば貴方も立派なピーター・パン野郎の仲間入り…「勉強?仕事?ナンデヤラナキャイケナイノ。ボクアソビタイオ…アソビタイオ…」…おっ早速効き目が現れたみたいですね。そうそう、入校(院)の手続きはお早めに。取り返しがつく内にお願いしますね…フフ(暗黒スマイル)

おとぎ話の類いは苦手なので(夜伽話は大好物ですが)早速レビューが酷いですね(´ι_` )

ピーターパンってストレートなファンタジー作品ですが幼少期のしゃにむ少年にはピーターパンが小さい子をたぶらかす不良少年に思えて未だに先入観が抜けません。エイリアンやらジュラシックパークやらを観て育った純情少年には受付なかったようで未だにあの手のファンタジーは苦手です。

心が汚れっちまったしゃにむ青年にもそれなりに響く作品ではありました。信じることの素晴らしさをどストレートに観客のハアトにぶっつける王道野球ファンタジーです。

やはりまだ感受性にフィルターのかかっていない子どもの方が向いてるかも。。

「あきらめないで」
(元・宝塚過激団トップスター)

「自分を信じろ!」
(元・テニヌプレーヤー 現・太陽神)

「おれは〜やれば〜出来る子だ!」
(Z会四天王の1人)

今の自分にはこうした言葉が響きます。が、まぁ無難に良かった作品です。

知られざるパンの過去編。

時代背景は第二次大戦前後のロンドン。孤児院に捨てられたパン少年は傲慢なデブ院長に嫌がらせを受けていました。何となくオリバー・ツイストを彷彿させる雰囲気です。王道モノらしく主人公には驚くべき出生の秘密があるわけで、パン少年もそうでした。

夜な夜な孤児院から子どもが消える事件をパン少年は解明しようとします。皆が寝静まる夜半目を凝らして見張っていると、天井から海賊がビヨーンと現れて子どもたちを拉致して行きます。実は孤児院の院長、人身売買してもうけてたみたいです。配給は自分だけ独り占めして、子どもたちにまずいメシを食わせて理不尽に扱う悪女でした。空の海賊は少年たちをネバーランドに連れて行きます。現実世界は戦争に、劣悪な住処に、悪意のある大人に汚されています。ネバーランドはきっと素晴らしい場所なんだろう…と思っていた時期が私にもありました( ´艸`)

引き連れていかれたネバーランドは決してキラキラ光り輝くファンタジーの世界ではありませんでした。ニルヴァーナ(合ってますかね)の曲を合唱する大群衆、目眩がするほど広くて危ない鉱山、黒ヒゲを名乗る絶対的独裁者…何だか黒ヒゲがイモータン・ジョー様に見えるようなマッドな世界観です。夢なんかありゃしない絶望の世界観です。強制労働、薄汚い大人達、処刑体験…ファンタジーでありながら絶望的な世界に主人公を放り込むってなかなかえげつないです。パン少年が頼れるのは母の言葉「自分を信じなさい」自分を信じることだけでした。自分を信じることで、絶望しかない世界をおとぎの国へ変えて行きます。子どもの直向きな眼差しはなんでああ眩しいのだろう( ´Д` )

キャラクターも良かったです。

ジェームズ・フック
若かりし頃のフック船長です。つれない顔をしながら何かとパンの面倒を見てくれる頼れるナイスガイ。ジョーンズ博士並みに活躍しますが、やはりワニが苦手みたい…笑

黒ヒゲ
ヒュージャックマンのノリの良さ。魔薬中毒のハイテンションの悪者。真っ黒でいかにも悪者だなって思える悪者でしたね。あーやっぱ頭のことは禁句ですよ(*´∀`*)

パン(ハゲ)
主人公ではない方のパンです。先住民の村にいた勇敢な中華系の戦士。トランポリン戦法で飛び跳ねる炎のムエタイファイター。

モブ
ウォーボーイズっぽいメイク!!!(一番興奮したキャラクターかも)

ティンカーベル
お前は誰だ⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン

パン(本物)
名優ヒュー・ジャックマン相手に堂々と振る舞える度胸は大したものです。一番頑張っていた印象でした。瞳が美しいです。

ラストのパンとフック船長のやり取りがニヤニヤする程好きです。喧嘩はダメよん。

まぁたまにはいいですね。若返りそう。
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