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スパニッシュ・ホラー・プロジェクト クリスマス・テイルのsayaのレビュー・感想・評価

3.5
1985年のクリスマス、穴に落ちて出られなくなってしまった銀行強盗の女性を偶然発見した子供たちが脅して銀行から強奪した紙幣を横取りしようとする話です。
演技も自然で可愛らしい子供たちの鬼畜な所業がコミカルなタッチで描かれるのに対して、穴に落ちた女性の窮地や怪我の状況はシビアに痛々しく描かれるのがコメディとして笑えない不思議なバランス感覚の作品でした。
主人公である子供たちと指名手配犯の女性、どちらも悪人で感情移入しづらいのもホラーとしては珍しいです。
『パンズ・ラビリンス』で有名なイバナ・バケロ演じる少女だけが性格の良い普通な子なのが救いでした。
おそらく子供嫌いな人が観たら相当な胸糞映画に分類されるのではないでしょうか。
後半の対決にしても、飲まず食わずで負傷している女性のほうが圧倒的に不利な立場ですからね。
短い時間で気軽に楽しめるのに前半と後半で映画のテイストを変えてくることもあって見ごたえのある充実した内容でした。
正しい行動をしようとした人間は助かり、悪いことをした人間はきちんと報いを受ける結末も因果応報で良かったです。
この映画で唯一謎なのは指名手配中の女性がサンタの恰好をしていることです。
クリスマスとはいえ銀行強盗にサンタコスプレは場違いすぎるのですが、経緯や理由は一切明かされないままなんですよ。
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