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喰女 クイメのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

喰女 クイメ(2014年製作の映画)
3.8
柴咲コウ演じる美雪さんは有名な女優であり、舞台「真四谷怪談」で岩役に決まっていた。私生活でも海老蔵演じる長谷川浩介とは恋仲にあり、本劇の伊右衛門役に強く推薦する。だが、海老蔵の浮気グセがひどく、舞台のお手伝いや、脇役の女性に手を出す始末。四谷怪談の稽古が進む度に、劇と現実の境界線が曖昧になり美雪の怨念が増していく・・・的な物語。

夏も後半に差し掛かり、和ホラーを鑑賞。以前TVCMを見たときから気になっていた本作だが、どのような物語なのか想像しずらく、常に頭の片隅に残っていて、いつか鑑賞しようと思っていた作品。大女優の美雪さんはせっかくの花形舞台の稽古で、お岩さん役を演じるも、現実の恋人、海老蔵の浮気グセに精神を蝕まれていた。劇の役と現実の自分、この境界線が曖昧になり、海老蔵の回りでは不可思議な事が起こり始めるという展開。このどこか背筋がひんやりとするところが、和風ホラーの真骨頂でもあるけども、配役に柴咲コウと海老蔵という演者力ある2人が抜擢されているためか、緊迫感が増している。実際海老蔵はクランクアップしても手を出してそう。そこも良い。

「四谷怪談」という古典的名作が現代でも語り継がれている理由の1つに、他の怪談とは桁違いの怨念であるが故、このように語り継がせることでお岩さんの鎮魂が込められているという話を聞いたことがある。だけど、演者の中でも大竹しのぶみたいな”憑依系”の演者がお岩さんを担当すると、その強すぎる残留思念から、精神を持っていかれてしまう・・という話も、あるとか、ないとか。今作みたいにね。

こわいなぁ〜こわいなぁ〜
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