Yuuki

オキュラス 怨霊鏡のYuukiのレビュー・感想・評価

オキュラス 怨霊鏡(2013年製作の映画)
4.0
ケイリーは11年前に両親を亡くした上に弟のティムも殺人罪で精神医療施設にぶち込まれるという過去があった。ケイリーは当時から家族を狂わせたのは家にあった「鏡」が原因であると結論づけており、ティムが退院したタイミングで二人は当時の家で再び鏡と向き合う。鏡に人を狂わせる魔力があることを証明するために…。な話

聾唖の小説家が殺人鬼に襲われる「サイレンス」、夢が具現化しちゃう少年を巡るファンタジー「ソムニア 悪夢の少年」で素晴らしい手腕を発揮したマイク・フラナガン監督のホラー。B級なタイトルながら、けっこう面白いんですよこれ…

まずお伝えしなければならないことは、中盤以降、「鏡に呪われてしまった父と母から逃れようとする過去の姉弟」と「10年後に再び鏡と対峙する現在の姉弟」の2つの時間軸がお見事すぎる映像マジックで鮮やかに交錯していくという演出。文字で説明するのがすごく難しいんだけど、「過去に何があったのか」と「鏡にリベンジを果たすことは出来るのか」という2つのストーリーをここまで大胆に過去と現在を織り交ぜて見せられるのかよ〜と、かなり感動いたしました。これは一見の価値ありだと思います

鏡は具体的に呪いを発するとか攻撃してくるとか見た目の分かりやすさではなく、気がついたらおかしなことになってるという幻覚を見せてくるのがまた怖いんですよね。ちょっと目を離した隙に設置していたカメラや植物が動いていて、何でや?と思って録画していた映像を見返したら実は自分たちが無意識のうちに動かしていた…みたいな。そういった精神的にジワジワ追い詰められていく描写がとても良いんです!

そういう感じで、「過去と現在の交錯」と「鏡による幻覚」で、何が真実で何が幻なのかというのがマジで全く分からなくなってくるのが素晴らしい!全ては姉弟の妄想なのか?という見方すらありえてくる怖さ…。派手なゴア描写をおさえつつ安易に驚かさない堅実な怖さというものを突き詰めており、コアなホラーファンはそういう演出面では少し物足りないかもしれないけど温度感としては全く問題ないかなと思いました。むしろ全年齢で見れる健全さもあるのではないかな。最後まで惑わされ続けた挙句の終わらせ方も良い!おすすめです
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