月うさぎ

ミラクル・ニール!の月うさぎのレビュー・感想・評価

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)
3.7
子どもの頃によく読んだおとぎ話や昔話に
「3つの願い」というモチーフがよくあった
思わぬきっかけでご褒美としてどんな願いも3つだけ叶えてもらえる。
どれも、凡人はつまらない願い事をしてしまって、ああガッカリというオチなんだよね。
そこで私は考えた。
「叶う願いが3つではなく100にして欲しい」とでも言えばいいのに、と。

さて、この映画は、いい事も何もしていないのに地球人のサンプルとしてランダムに選ばれて、万能の能力を持たされてしまったうだつの上がらない中年男の物語。
ニールは、アパートの階下に住むキャサリンに想いを寄せつつ、相棒の犬デニスと暮らすやる気のかけらもない教師。
冴えない小市民で、どう考えても万能の力を要領良く使いこなせる訳もない。
こんな男に地球の運命が託されちゃったの?!

コメディという以上に、これはギャグ。
コントだと思って観た方がいいですよ。

監督はモンティ・パイソンのテリー・ジョーンズなんだから。
(モンティ・パイソンを知らない人はググってね)
ストーリーなんてあってないようなもの。
部分部分に爆笑できて、オチが決まればいいんじゃない?
私はかなり笑えました。
ゾンビにもビスケット!!にも
何よりもサイモン・ペッグの演じる絵面の可笑しさという点で。

最後までかなりブラックなノリだと思うので、ハートフルコメディを期待したら可哀そうなことになるでしょうね。

優等種族の宇宙人達の態度やビジュアルを見れば納得の結論だし、王道のストーリー展開をしながらも、ラストは一種のどんでん返しでもあると思うので、個人的には好きなタイプの映画です。

それにしても願いを口にすると、とんでもない事が起きてしまうのには笑える。言葉が適当だと頭の中で思った通りにはならないのね。解釈が多数存在する言い回しではならず、正確性が大切。
世界から戦争する理由をなくせ、と願えば、理由もなくA国がB国に宣戦布告しました、となる。
温暖化解決と唱えれば氷河期が来てしまう。
言葉の使い方は難しいですね🤭

パイソンズのメンバーが宇宙人たちの声、名優ロビン・ウィリアムスがニールの愛犬の声を務めているのも特筆です。
だから、この映画は吹き替えで観ちゃダメよ。

そして、なんとも素敵なのがワンコのデニス。
ニールが言葉を話せるようにしちゃって、合理的な思考を与えちゃったから、犬の性質のまま、語る言葉が不可思議。
犬はニュースも人の行動もちゃんの理解して分析もできる。
でも飼い主を愛しているし欲もある。

結論。願い事を最も有効に使えたのはワンコでした。
ああ、あなただけは宇宙人の存在を正しく認識していたのね。

とにかくデニス可愛い🩷デニス最強💕

追記:デニスの本名はMOJO 大体4歳位
捨て犬だったそうです。こんなに可愛いのに
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