とっても楽しみにしていた映画。ところが右隣の人が途中からイビキをかいて寝始めて、左隣の人も終わった後にお連れさんと「寝ちゃったよね～」「私も～」つってて、その気持ちも実は、そこそこわかる。けれど僕には、見終えた後……ストーリー的な帰着とはたぶん何の関係もない所で、ボッチャーンと広がってゆくような、とても優しい感動があって、そこがすごく良かったのです。終始慌ただしいし、一種のサービス精神がちょっと邪魔だなって思うことすらあって、あげくお話にも何の意外性もないんだけれど……。この映画が持つ「世界」そのものや、それを見つめるまなざしや、精神性みたいなもの……が、何だかとても久しぶりに会えたような、そんな感じがして……。この真心感がまさしくシュルツ氏の「THE PEANUTS」なのだとしたら、この映画はとてつもない成功を収めているのだと思う。久しく忘れていたこういう感情を、しかも海外の大手3Dスタジオのドル箱的作品から手渡されたことに、新鮮な驚きを感じています。ほかの人に力強く薦める自信はちょっとないのですが、少なくとも僕にとっては、この星です。
昔からそうだけれど、ペパーミント・パティとルーシーの二人が好きだな……。
劇場（2015.12）
