いわゆる、僅かな希望に胸を躍らせ、夢を掴むため、バンドワゴンを走らせる、バンド系ロードムービーでもなく、曲作りの衝突とか、曲が出来上がっていく高揚感とは、かけ離れたバンドムービーでした。
そもそも、この前衛的なアートみたいなのを、バンドというのか分からないんだけど。
風変わりなお面を付けていないと生活できないフランク。
精神的な不安定さ、心の病で、繋がっているバンドメンバー。
一日限りのつもりでライブを手伝うことになる主人公?ジョンは、奇妙なバンドの共同体として何処か馴染めないまま、売れる事ばかり考えて、メンバーの心の平穏を少しずつ崩壊させてしまう。
一緒に過ごすことで、似ている苦しみや自信の無さ、駄目なところを相手に見てしまって、失望したり軽蔑したくなったり、
これは音楽映画だけど、生きづらさを抱える人達のドキュメントのようでした。
ショッキングな場面も淡々としていた。
こういうジャンルは聴かないので、音楽としては興味なかったけど、人間模様は繊細でよく描かれていた。