マルメラ

ディクテーター 身元不明でニューヨークのマルメラのレビュー・感想・評価

4.2

最高に笑えて、最後はきっちり本質を突いてくるあたり、流石。

まず、サシャ・バロン・コーエンについて。
コーエンということから分かるようにユダヤ系ですね。
ユダヤ系だからこそ、ユダヤ人差別のギャグが笑える。最後のオチは特に最高でした!
ユダヤ人と分かった時の反応とその後の処刑ポーズw
あと、彼はケンブリッジ大学の出身だそうで。どことなく、マット・デイモンやベン・アフレックを彷彿とさせますね。
勉強もできる人が自らアソコを出し、バカな役になりきるというね。尊敬に値します。

タイトルのディクテーター。
つまりは独裁者。
独裁者といえばチャップリン。
この作品もチャップリンのそれと同様に政治的皮肉を最後に浴びせまくります。
民主主義の至らなさ。石油企業こそ真の独裁者ではないか?
こういった問題提起を最後の最後にかましてくるあたり、憎いですね。それまで本当にどうしようもない不謹慎なギャグのオンパレードだったのに。

個人的に笑えたのが、ヘリコプターのシーン。
911やビンラディン。といった単語を中東系の人が話すと、そりゃ怖いでしょう。
でも、実際はポルシェの話というw
9.11もギャグにしてしまうあたり不謹慎極まりないですが、それに笑ってしまうのも事実。笑ったら負けですね。勝てる気しませんが。

とにかく、90分以内と短く、笑えて、最後はしっかりと哲学的、政治的。
オススメです!
マルメラ

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