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ハミングバードのしゃにむのレビュー・感想・評価

ハミングバード(2013年製作の映画)
3.2
「ヘロインパーティー?もうそんな時期か。懐かしいな。中学の頃センコーにバレてひでぇ目に遭ったよ。センコーがな。ガハハ!」

あらゆる意表に困惑必死。下品にハゲ散らかした落武者ヘアスタイル(髪が生えている!!)、悪寒が走る猫なで声のハゲのゲイ(吹き替えの山路さんまでオカマ口調)、敬虔なシスターとの控えめで切ない純愛劇(アドレナリンの公開ファ○クが嘘みたいな紳士ぶり!)、滅多に見せないステイサムさんの男泣きに何故だかもらい泣き。いつもはスカッとして終わりの単純明快なステイサム作品で奇跡的に心が震えました( ;∀;)

従来のステイサム印の作品を期待すると壊滅的に退屈だと思います。全然戦わないし、傍若無人爽快鬼畜エピソードは少ないし、女性関係も豪快でなはなくて純愛っぽいし、精神的にも弱い。ステイサムさんは逃げる男は全然似合いません。だけど、ギャップがかえって自分には鳴り響きました。鬼畜ハゲのヒューマンドラマも悪くないと思います。

あらすじ↓
アフガニスタン戦争をジョゼフ(ステイサムさん)は戦っていました。奇襲を受けて仲間を5人殺されたので民間人5人を独断で殺害します(そらヤバイですよ) 犯行は無人偵察機「ハミングバード」に見られていてジョゼフは軍法会議で裁かれますが、逃亡してしまいます。逃亡し潜伏中に出会ったホームレスの女の子と慎ましく暮らし、やがて裏の世界で生計を立てられるようになりました。すると女の子が惨殺されてしまいます。分かり合えた者を奪われたジョゼフは犯人探しを始めるのでした。

とまぁ、まるでホームレスの女の子一筋みたいなあらすじですが、ステイサムさんはモテモテでメガネの知的ですらっとしたシスターさんとイイ感じになるので「復讐」に違和感があります。そもそもその女の子があまり出演しないから復讐に共感出来ません。終始シスターさんにぞっこんだし。ステイサムさんが珍しくブレている印象でした(・ε・`)

数少ないですが救いの鬼畜エピソードがたまにあります。

いきなり笑わせてきます。いつものハゲ頭が見当たりません!?小汚くハゲ散らかした中年がやたら映ります。自己主張の激しい薄らハゲだと思ったら…ス、ステイサムさんじゃないっすか((((;゚Д゚)))))))

落武者かエガちゃんみたいな哀愁を感じるヘアスタイルです。違和感しかないです(ステイサムさんのアイデンティティが…!) 他人の家に侵入して堂々と頭を丸めてようやく我らがステイサムさんのご帰還です。やはりハゲ頭でないと見ているこちらが不安です。

他人の高級アパートに住み着いたある日元の住人の知り合いがアパートを訪れます。数ヶ月先まで誰もいないはずのアパートに見知らぬハゲ頭がいるので不審に思われます。

訪問者「どなたですか?」

ステイサム「わたし?わたしはここの住人の彼氏の1人よ」(ウィンク)

訪問者「」(悪寒と絶句)

おめめぱっちり。吹き替えの山路さんノリノリのご様子。ステイサムさんのおネェっぽい仕草が見れて感動です(*´∀`*)

例によって今作にも優しい尋問(拷問)シーンがございます。

チンピラ「なんだテメェ!」

ステイサム「そっちがナイフならこっちはスプーンだ」(ニヤリ)

スプーンなら鉛筆で3人を殺害したジョンウィックと張り合えそう。ナイフよりスプーンの方がステイサムさんに持たせたら危ない(逆転現象) 案の定目ん玉をえぐりたくて仕方ないご様子でした。

シスターさんと写真展にデートに行くシーンでも鬼畜です。

ステイサム「写真展は嫌いか?」

シスター「自然の写真は好きよ…」

ステイサム「ペ○スも立派な自然のモノじゃないか?」(真顔)

シスター「」(赤面)

これはセクハラでは…(小声) ステイサムさん絶対ファイトクラブ好きです。

唯一スカッとしたラストの復讐シーンはシンプルながら好きです。

ステイサム「底辺にいる者たちの気を知りやがれ」

ターゲットの金持ちのクズ野郎を高層ビルから底辺に落とします。これで彼にも底辺にいる気持ちがわってくれたはずです(地獄で)

強い男ステイサムというイメージが一旦崩れました。シスターに尽くし、尽くされ、頼り、頼られ、許し、許され…ラストでシスターの膝の上に頭をのせる静寂な時間が流れるシーンが印象的なラストを飾ってくれました。単なるアクションを期待せず俳優ジェイソン・ステイサムを観るつもりで鑑賞することをオススメします( ´艸`)

追記 田舎にハロウィンなど存在しない(血涙)
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