ニクガタナ

バンクーバーの朝日のニクガタナのレビュー・感想・評価

バンクーバーの朝日(2014年製作の映画)
3.0
戦前カナダに移民した日本人たち、生活苦や白人達による差別が横行する中設立した野球チーム「バンクーバー朝日」弱小チームが出塁重視の頭脳プレイスタイルで、快進撃を続け日本人だけでなく、白人たちからも人気を博していく。という、あらすじだけでも感動出来そうな実話ベースのストーリー。奥寺佐和子の脚本は当たり外れあるが、監督は期待の石井裕也。撮影も人気の近藤龍人でスタッフは一流。妻夫木他若手人気俳優(野球経験者優遇)勢揃いさせ、ヒット要素しかないのに大惨敗。貧しさに負けた。日本国内で戦前のカナダ日本人街の再現には無理がありすぎる。そしてベランダから見てるだけの本上まなみとか、小学生に教えてるだけの宮崎あおいとか、主人公たちやストーリーにまったく関わらないサブキャストが多すぎる。PR狙いが透けて見えげんなり。カナダ人を演じる外国人キャストは普段再現ドラマに出演してるようなほぼエキストラでどう観ても安い芝居。野球シーンもてんで様にならない。自慢のオープンセットも範囲が狭すぎて、全編同じ背景ばかり。超貧乏臭い。野球映画に外れ無しと言うが、とんだ大外れ。恨みがあるわけではないが、これはきっと制作のフジテレビが悪い。劇場で観て1800円も支払ってしまったことに当時たいそう憤ったが、何しろ突っ込みどこら満載の作品。戦前にそんな日本人はいないと断言できるほど整えられた亀梨の眉とか、4年経った今でも当時一緒に観た友人達と盛り上がれるので、ある意味元は取れた。
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