えーこ

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎のえーこのレビュー・感想・評価

3.3
ヘンリー·ダーガーを初めて知ったのは、ラフォーレミュージアムの展覧会。
かーわーいー♡
臓物がでろっと出てたり、
グロテスクなのも私好み(笑)
でもひきこもりだの、女を知らなかっただの、酷い書かれようで、、
なんだかショックだったのを覚えている。

1973年に他界し、初めてその作品群が発見されたというから驚く。
何千ページにも及ぶ日記や自伝などの書き物、1万5000ページを越えるおそらく世界最長の小説、その多くが3メートル以上もある数百枚の絵…

物語の舞台はカルヴェリニアン国、
子供奴隷を解放すべく立ち上がるキリスト教国アビアニアと神なき奴隷主グランデリニアンの4年半戦争。
子供奴隷の反乱軍7人のヴィヴィアンガールズの活躍を描く。
展覧会で観た彼女たちがアニメとなって動き出す感動ったら!!

隣人たちのインタビューが挟まれるが、
誰もが口を揃えて、彼は孤独だったと言う。
でも決してひきこもりではなく、
ミサに出かけ、友人もいて、隣人と交流もあったようだし、
あえて彼は孤独を選んだのだろう。
家に帰れば、ヴィヴィアン·ガールズが待っている。

彼は彼の国に他者が踏み入れ、
彼の人生が晒されることをよしとしただろうか。
エンドロール、トム·ウェイツが歌う。
夢を見るとき、君は無邪気になれる…
えーこ

えーこ