えーこ

LAMB/ラムのえーこのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門で"Prize of originality"を受賞するなど、上映されるやいなや観客を騒然とさせた衝撃の話題作!!

アイルランドで暮らす羊飼いの夫婦。
ある日、羊ではない"何か"が産まれ、2人はアダと名付け、我が子のように育て始めるがー

オープニング、吹雪の夜、
荒い息づかいが馬の群れに近づく。
"それ"に気づいた馬たちは後ずさり、
羊小屋の羊たちは怯え、逃げ惑い、
逃げ遅れた一頭の雌羊がよろよろとその場に倒れる。

"私はよい羊飼いである"
(ヨハネによる福音書10章11節)
主人公のマリアという名前、子羊を抱く聖母像のような宣材からも、どうやら聖書になぞらえた寓話のようだが、読み解くのは試練(笑)

神の子羊とはイエス·キリストを指す。
クリスマスに生まれしまさに神の子羊アダ。
セーター着てて笑った、、
罪深きマグダラの?マリアに育てられ、
すくすくと良い子に育つのだが、、
泣き叫ぶ母羊、忍び寄る"それ"の存在、
神秘的で美しいアイルランドの山々がより畏怖の念を抱かせる。

遂に"それ"がその姿を現す。
"それ"の正体は頭が羊の半人半獣サテュロス?
酒と踊りと音楽を愛し、悪戯や快楽を好むサテュロスが元ミュージシャンのペートゥルと重なる偶然は必然?
だとしたら、死んだ娘アダはペートゥルに犯されて出来た子供なのか??
だから羊のアダを殺せなかった??
イングヴァルは自分の子ではないと感づいていて、
出先でアダを置き去り…?
思い直して戻ったものの、時既に遅し…?
それで羊のアダに迷ったときの帰り道を教えていたのではないか??

人間は皆迷える子羊である。
父羊のアダ討ち?による夫の死は、
母羊を殺したマリアの罪と罰。
ラスト、なぜか下(お腹?)を見つめ、天を仰ぐマリア。
もしや新たなるアダ(天の贈り物)を授かったのか!?
そしてそれはイングヴァルの復活(生まれ変わり)??
えーこ

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