ToshiyaYokota

ナチュラルのToshiyaYokotaのネタバレレビュー・内容・結末

ナチュラル(1984年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

○いわゆる本番の「16年後」までは割とあっさり、そして必要最低限は描いているが、「16年後」がメインとして描かれる本作。

○手堅く作られているため、どこかファンタジック的なシーンが際立つ(アイリスを観客の中に見つけるシーンやラストのホームランのシーン)。

○八百長とその差し金の女に熱を上げてスランプに陥るが、それをロイが乗り越えていくのが本筋なのだが、本作のレッドフォード演じるロイの真面目さが女に左右されそうな雰囲気を持っていない点でやや違うなという印象は拭えない(青年時代の婚約シーンが描かれているため)。

○またロイのキャラ造形において、金に目が眩まない、スキャンダラスな写真に恐れない部分が、映画的に「そりゃそうだろうな」に過ぎず、ロイだから的な要素が少ないのも事実。

○そしてやはり観客が気になる「16年間彼がどう過ごしてきたのか」が消化されず、また彼の幼少期から青春時代をどう過ごしてきたのかが最小限にしか描かれないことで、最終的に神の怒りとも言える稲妻と共に「神童」バットを使わずしても彼が八百長、女、そして自分に打ち勝つストーリーに得られたはずのカタルシスがあまり得られない結末になったのであろう。
ToshiyaYokota

ToshiyaYokota