イルーナ

ポケモン・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシーのイルーナのレビュー・感想・評価

3.2
映画館で観た作品としてはデオキシス、試写会を入れるとルカリオ以来となった作品。

伝説でもない一般ポケモンと接点があるという、変わった出自のポケモン、ディアンシー。
(恐らく最初にデザインされたのはメガディアンシーで、そこから逆算して作られたのがディアンシー、さらに後付けで作られたのがメレシーと思われる)
彼女は祖国の根幹を司る『聖なるダイヤ』を作る力を得るため、サトシ一行と旅に出る。
しかしダイヤを作り出す能力故に、当然多くの人間から狙われる。さらにそこに、死と破壊を司る伝説ポケモン『イベルタル』が絡んでくる……

と、ストーリーは王道そのもの。
とはいえ、成長物語以外の要素が全くなかった『聖剣士ケルディオ』と違って、細かい部分では結構面白いものがあります。
盗賊同士の恋物語とか、完全に災害そのものとして描写されたイベルタルとか、片方が活動していると、もう片方が休眠することになるゼルネアスとイベルタルの関係とか、お嬢様育ちで世間知らずなディアンシーのかわいさとか。
中でも、「友達」という概念を初めて認識した時にできたダイヤが消えずに残り、それがメガシンカの鍵になる展開は熱い。
(そもそもメガシンカが、絆を前提としたものという設定。逆に言うとディアンシーはそれまで、対等な関係というものを知らなかった)
メガディアンシーは製作された時期的に『アルティメットまどか』を連想してしまうw

しかし売りにしたはずのメガディアンシー、華やかなルックスとは裏腹に、劇中のまともな活躍は『聖なるダイヤ』を作り直したことを除けば、「イベルタルの攻撃を一回防いだだけ」という、何とも地味なもの。バトルがテーマじゃないから仕方ない部分もあるとはいえ、これは……
他にも、ピカチュウの石化シーンは要らないよね。『ミュウツーの逆襲』の反対をやろうとしていたけど、石化からの回復があっという間すぎて、これ要らなくね?と思ってしまいました。

あと、カメオ出演した内田篤人選手、たった一言だけの出番なのに、とんでもない棒読みでやたら印象に残ります(苦笑)
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