Qちゃん

フューリーのQちゃんのレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
3.2
戦時下感動の実話とか、その年のアカデミー賞最有力とか、事前に諸々聞いてたから内心ハードルが上がっちゃってて、観た時は正直やや拍子抜けした。

私としては本作の褒めたいところは、迫力ある戦車同士の対戦シーンかな。WWIIの映画もリアルの戦争映像もそこそこ観てるけど、実は戦車が戦車と戦う場面観たの初めて。なるほど、こうやって戦うのかー、と勉強目線で見てた。

よく宣伝文句で出てた、米戦車隊の5人対独軍300人の戦いがメインの映画かと思いきや、そこは最後にちょこっと出てきただけ。てか、それが実話ベースなのかと思ってたら、そこは完全創作だそうじゃないか。実際は、フューリーって書かれた戦車が実在したってことと、ラストに関わる場面を見たことがある人が何人かいるっていう話にインスパイアされたってとこだけとか。騙された。。地味に宣伝詐欺だ。。

映画のメインストーリーは、何も知らない新兵くんが前線も前線の戦車隊にブチ込まれ、嫌な現実見せられてタフな感じで良くも悪くも鍛えられていく成長話と、ブラピを始めとする生き残り続けてる戦車フューリーの乗組員たちの物語。といっても、特に後者はあんまり深掘りされてない。。そしてブラピ以外、各人そんなキャラ立ちもしてない。。

そう、ブラピ以外は。

キャラ立ち、というか、1人かっこいい。
こんなにハリウッドのスターシステム的な映画、近年で初めて観た気分。フラットな意味で。

90年代くらいによくあったよねー。
とりあえず主演この人、が推しで、
その人はひたすらカッコよく映えて、
あとはなんとなくその他の俳優がいて、
ストーリーもなんとなく漫然とした作品。
てかまさにその頃ブラピもそういう作品あった。

そしてこれよ。これも、戦争映画という名のその類に見えちゃった。

過去にいろいろ経験してきたから、新人にはキツい現実見せるけど、それも優しさ。
女に優しいし、部下に譲る(ちょっと待て)、それも優しさ。
なんか傷もいっぱい有るけど、多くは語らない。
別にいいんだけど、その割にその辺りの深掘りはされないし、キャラもかっこいいけどなんか薄っぺらい。。

分かりやすい国家対国家のWWIIだからね。下っ端同士にどっちが悪いとか、ないよね。総力戦って言われたって、一般人は飲み込めたり飲み込めなかったり、ねえ。その辺りは描かれてるけど。

なんだろ、この拭えない物足りなさ。共感するほどキャラに入りきれない感じ。
いろいろなストーリー要素詰こもうとして、映画全体に統一感なくなってるから?やっぱキャラのせい?

これでアカデミー賞最有力候補は無理がある。。
そしてキャプションにある「ブラピ最高傑作」も、絶っっ対これじゃない。間違いない。
Qちゃん

Qちゃん