過去を最低限しか描かない構成が巧い。
たぶん私も含め多くの人が
「状況・関係による」と思うから。
ボーナスカットされても生活出来る収入・状況でかつ好意を持っている同僚であるなら多くの人がサンドラの復職を願うだろう。
それはサンドラと同僚との関係だけでなく、
サンドラと夫、同僚とその家族だってそうだ。
それぞれの過去が多岐に渡って波及する。
でもこんな「人による」なんて思考停止で
終わっていい映画じゃない。
過去があるから現在の選択に影響する。
ならばこの瞬間にも過去となる“現在”で努力し続けなければならないというメッセージにグッときた。
私はサンドラが「最悪」と評した同僚と同じで、嫌な気持ちから逃げようとしてしまう人間だから。
サンドラの立場でも、同僚でもその家族でも、夫の立場でも、向き合うことを放棄したくなってしまう人間だから。
私が作ろうとしている過去は最悪だ。
「善戦した」と言える人間でありたい。