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ラブストーリーズ コナーの涙のKentaCのレビュー・感想・評価

3.6
子どもを亡くしたことで夫婦関係を解消したコナーとエリナーが、それぞれの人生を歩み出そうとする姿を、夫コナーの視点で描いた物語。

本作『コナーの涙』と妻視点『エリナーの愛情』の2作で一対の映画、昨日に引き続いて連続視聴しました(そちらのレビューもよければ併せてどうぞ)。

『エリナーの愛情』では、悲嘆に暮れる不安定なエリナーの姿がじっくりと描かれましたが、本作では子どもを亡くした悲しみを表現することなく(ある意味なかったかのようにして)妻と元の関係に戻ろうとするコナーの、エリナーとは別種の「心の傷つき」が描かれていました。
そして、エリナー視点の物語を先に観ていたからこそ、2人の心の対比がより顕著に浮き彫りになるという効果を生んでいて、2作一対の意味もしっかり感じることができました。

自分はエリナー→コナーの順で観てよかったなと思いますが、逆の順番で観た人はそれはそれで同じように感じるんじゃないでしょうか。
ですので、観る順番を迷われる方は、あまり深く考えずになんとなく気になった方から観てみるといいのでは、と思います。

ラストシーンは両作で微妙に切り口やニュアンスが違うのですが、本作の方が劇伴との相乗効果も相まってドラマティックさが強く、非常に好みなエンドロールの入り方でした。
2人は同じ道の上にいて、ペースは違うけれどまた重なる、ということを示唆するかのような比喩的な終わり方にこの作品のテーマが凝縮されているのかな、と感じました。
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