ゴズリング監督の極彩色でイヤらしく妖しい御伽噺。
「有名な恐竜博物館は失っても貯水池が手に入るのです。」
破綻した町に暮らすボーンズ。日々廃墟から金属を集めてそれを売る事で生計を立てているが、生活は苦しく、町は寂れる一方だった。ある日、貯水池の水底に沈んだ町”ロスト・リバー”とそれに纏わる”呪い”の噂を耳にする。
夕暮れや闇夜に輝くネオンカラー等キツイ色合いで視覚的にインパクト強めの風変わりな映像が満載。
ストレートに感心できる類の映像美とは異質な、魅力的な毒キノコみたいな感じ?
不吉だけど惹かれるものがある。
登場人物の会話も地に足がついていないし、
舞台も9割方廃墟みたいな生活臭の無いゴーストタウンなんで余計現実離れしている様に見えてしまう。
余り長々としたBGMも無く、さりげないので尚一層雰囲気をミステリアスに仕上げてる。
ホント何か不思議な作品だった。
流れとしては把握出来るんだけど、テンポ良く移り変わっていく一つ一つのシーンが”美しい”為、イマイチ何を見たのかが分からなくなる。
撮影監督は「エンターザボイド」や「スプリングブレイカーズ」を手掛けた方だそうで、この色彩は宜なるかなと。
デビッド・リンチの様な構造でニコラス・レフンの色をしている、儚くグロく謎めいた、毒を含んだファンタジー映画。