ラジオMC役のハ・ジョンウ及びテレビ局とその周辺が、ラジオ番組でのリスナーの主張からテロに巻き込まれていくワンシチュエーション・スリラー。
ハ・ジョンウの表情ひとつ、髪型ひとつ、飲むお茶？ひとつで観客に事態を説明していく演技巧者っぷりを寄り寄りの映像で堪能できる。彼のファンは必見である(私もそのひとり)。
イ・ギョンヨンは、金が絡む上司として必ず登場するクズ役の第一人者であり、彼が登場すると必ず事態が引っ掻き回され悪化した挙句に、そこに生じた利益を確実に掠め取っていく。本作に於いても然りで期待を裏切らない役者ぶりである。
罪もない国民の命を救うために、謝罪のひとつもできない政府に一体何ができるというのだろう。
末端の人々如きがほんの少し権力にすがることさえも許されないと言っているかのよう。このコロナ禍におけるニッポンは果たしてどうなのだろうと考えずにはいられなかった。
