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鬼灯さん家のアネキの655321のレビュー・感想・評価

鬼灯さん家のアネキ(2014年製作の映画)
3.1
普通ってなに?好きってなに?

これで今泉監督作品を観るのは3本目だけど、
いつもこのことを語っている。

「女同士で恋愛したって変ではないと思う」
「(義)姉弟で恋愛なんてちょっと変だと思う」
この2つの台詞を同じ人物が言うのが面白い。
そしてその人物には佐藤かよさんを配役。

“好き”ってままならないもんだ。
それでも“好き”を押し留めるのは「普通は…」という視線。
今泉監督はそれを監視カメラで表現する。
今作はやたらと盗撮する人が出てくるが、それは盗撮することによって自分が客観的な「普通の視線」を保持していること(またそういう視線に自らも日々晒されていること)を確認するためだろう。
それは普通じゃないでしょ、と思うが、映画を観るということは私たち観客にもそういう側面はあるのかもしれない。
普通じゃないもの/時には普通なもの
を観る確認作業が映画鑑賞なのかもしれない。
そして今泉監督にとっての創作活動の源。

個人的には『パンチドランク・ラブ』みたいに
突っ走る映画が好きだけど、
立ち止まってみる今泉監督映画も段々クセになってきた。
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