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ブラック・スキャンダルのGreenTのレビュー・感想・評価

ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)
2.5
ジョニデの映画はつまらないけど共演者が豪華!

ジョニー・デップが演じるのは、サウス・ボストンを仕切るギャングのボス、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー。

ホワイティに気に入られる命知らずの若手、ケヴィン・ウィークスがジェシー・プレモンス!

ホワイティの弟ビリーはボストンの上院議員なんだけど、これを演じるのがベネディクト・カンバーバッチ!

背景が1975年から1985年くらいなので、『ミスティック・リバー』を彷彿とさせるのですが、ホワイティを始めとした犯罪組織に目を付けているFBI のボス、チャールス・マグワイアを演じるのがケヴィン・ベーコン!

その部下のFBI 捜査官たちがデヴィッド・ハーバーとアダム・スコット!

んで、昔いじめられっ子でホワイティに助けて貰っていた幼馴染みのジョン・コノリーってヤツも、FBI 捜査官としてマグワイヤの部署に配属されてくるんだけど、これを演じるのがジョエル・エドガートン!

ホワイティ一味はマイアミでもなんか悪いことしていたらしく、そん時関わったチンピラがピーター・サースガード!

ジョニデ以外のキャストみんなすごいいいんですよ〜。ジェシー・プレモンスはあの顔なので、ゴツい用心棒的なキャラ似合う!カンバーバッチは、議員さんぽくって良いし、ケヴィン・ベーコン、デヴィッド・ハーバー、アダム・スコットのFBI がすっごいそれっぽい。ピーター・サースガードもオドオドしたチンピラが似合う!

このお話は “Black Mass: The True Story of an Unholy Alliance Between the FBI and the Irish Mob” というノンフィクションの本に基づいていて、ジョニデのキャラ、ホワイティはアイリッシュのモブという役柄なので、それで瞳をブルーにしているよう。

この「ブルーのコンタクトを入れると人が変わったよう」って、共演者のダコタ・ジョンソンやジェシー・プレモンスが語っていたけど、言うほどすごくないよ。

なんか「ああ〜ジョニデのいつものコスプレ!」って感じ。つまり『チャリチョコ』や『ファンタビ』のキャラを演じるのと同じに、実在したキャラを演じている。

他のキャストがみんな演技派なので、それと比べるとやっぱジョニデって、スター・パワーはあるけど演技はどーなの?って思う。役者って言うより「ムービー・スター」って感じ?

すごい残虐な殺しとかしていて「うわ〜」って思うところもあるんだけど、やっていることそのものがヒドイからそう思うだけで、ジョニデの演技に「うわ〜」って思わされるわけではない。

この役をデニーロとか、もっとヤクザを演じて説得力あるような人が演じたら良かったと思う。でもデニーロはもうトシだし、この世代でいるかなあ、できる人。意外とエドワード・ノートン辺り?

いずれにしろ、映画としてはイマイチだと思いました。『ミスティック・リバー』や『グッドフェローズ』を意識しているのは間違いないが、遠く及ばない。

って思ったらこの監督さん、スコット・クーパーって、『荒野の誓い』『ファーナス/訣別の朝』『クレイジー・ハート』を監督した人!私キライなんですよ〜『荒野の誓い』と『ファーナス/訣別の朝』って。『クレイジー・ハート』はそーでもなかったけど、「toxic masculinity を男の中の男として正当化する汗臭いメロドラマ」って感じで。

この映画もそうで、ホワイティは残虐で裏切り者は容赦なく殺すけど、近所のおばあちゃんには優しいし、息子をすごい大切にしている、っていい人の側面も描いているけど、要するにノースエンドの対抗しているギャングを潰すためにFBI と癒着してタレ込んでた人でしょ?

ボストンの貧しい地区で一緒に育った人たちは昔の絆を忘れないのか、FBI になろうとギャングになろうと、お互いを助け合っちゃうってのはなあ。なんかカンバーバッチのキャラはマジメに議員やってるのに、FBI とギャングの間に立たされて可哀想だったよ。でもカンバーバッチってそういうキャラ上手いから良かったけど。

名誉毀損裁判でジョニデの印象は良くなったけど、映画はいいのない!(笑)『ギルバート・グレイプ』と『デッドマン』はすごい好きだけど。
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