回想シーンでご飯3杯いける

妻への家路の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

妻への家路(2014年製作の映画)
3.4
文化大革命時代を描いた映画を観るのはこれが始めてかも。一説によれば1000万人以上の死者が出たという中国の国内紛争。そこから20年ぶりに解放された夫と、心労で夫の記憶を失った奥さんのやりとりを描いた作品だ。

夫婦は強く愛し合っているのに、奥さんは相手を夫だと気付かない。自分の帰りを待つ奥さんを、その隣で寄り添って支える夫の辛い日々。会話を少なめにして表情でのやりとりを軸にした演出が、その切なさを描き出す。

2人の間を取り持つ娘の存在も印象的だ。彼女がバレエを踊るシーンを含め、奏でられる音楽がとても情緒的で、「泣ける」のひと言では片付けられない、心の深い部分に響く作品に仕上がっている。