監督相対評価★3

息子を被写体に起用した本作から人体というか「顔」をどう撮るか考えるようになったと思う。自分の血を引く幼児という奇妙な存在、それを監督なりに表現していたのだろうがバイブ犬で笑いすぎて死にそうだった。あそこは今年観た映画で一番面白い。

初めての動画。
ホームビデオというどこにでもある日常の素材を料理して非日常へ連れて行かれるのは恐怖でしかない。
パパパパパパ
JainのPVに通じるトリックをこの時代に実践してる伊藤高志は化け物。

映像と戯れ、子供と戯れ、愛おしさが溢れたホームビデオ。前半は子供がデジカメを持って家の中や城址公園のようなところで撮った映像がコラージュされ、後半は父（伊藤）によってその時同じ場所撮られた映像が映し出される。ここで息子の姿が見えて、まずかくれんぼとはこのことかと思い至る。ところがその後、部分的に同ポジ編集が施されて、フレームインした息子が画面真ん中で突如フレームアウトするといった遊びが加わる。不気味なフレームアウト、それに時折施される映像の反復によって、驚きと、少しの恐怖感がありながら、一貫して幸福な場面が描かれる。「家庭」そのものだとおもった。