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はじまりのうたのsmithmouseのレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
5.0
「音楽の魔法だ。平凡な風景が意味のあるものに変わる。」
スタジオが使えないなら”ニューヨークと”歌え!「ありきたり」を「特別」に変えてしまう音楽の魔法使い達のゲリラ戦法が街を特別な風景に変えていく。

ダンはアル中音楽プロデューサー。見る目は有るが金無し、(家族の)愛無し、仕事無し。一方のシンガーソングライター、グレタも聴く耳とクリアな歌声を持ちながら裏切に逢い大切なものを失う。似た者同士のボロボロの2人がニューヨークの片隅で出会い、奇跡を巻き起す。

最高‼︎
音楽の醸し出す雰囲気が人を変えていく様が良いし、等身大のNYが主人公達の歌で全く違って見える。人が音楽を聴くのは食欲とかと同じでより根源に近い本能的な欲求なのかも。退屈で死なない為にも。グレタの切々と歌い上げる歌詞は寂しい筈なのに惹きつけられる。

クラブで地下鉄で街角で、スプリッターを使いヘッドフォンをつけながら2人で夜のNYを彷徨うシーンのウキウキ感は金曜日の夜に似て観てる側を幸せにする。大好きだったNYとまた恋に落ちてしまった(´Д` )。

「アベンジャーズ」ハルクと「パイレーツ〜」エリザベスみたいな「キャラ物」でしか存じ上げて無かった無知な僕はラファロ叔父様とナイトレイ姉様に土下座したい。素晴らし過ぎます。

アーティストとスターの間にある違い、音楽が見せた人間関係に作用する引力と斥力、それでも幸せの方角へ進めるエネルギーの無限の内蔵量を見せつけられた映画。
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