ハル

きみはいい子のハルのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
3.6
子供は難しい。
つくづくこの映画を見て感じた。
大人と違い純粋な分だけ対応が困難だ。
作中では親からの視点や教員からの視点など様々な角度から見た「子供を育てる」と言うことの意味を問うている。

特に印象に残ったのは小学校の教員である匠(高良健吾)が受け持つクラスの様子を見ていた時。
大人としてどの様に振る舞うのが正解が本当に分からなくなった。
現実にできる事とできない事がある中で限界がある事を知りつつも向き合わなければならない現場は過酷そのもの。

人によっては辛過ぎて仕事にならない可能性すらあるのでは、と思わされる。親に対し学校側が口を出せないシーンも劇中では出てくるため、匠のやりきれなさが心に沁みた。
また雅美(尾野真千子)の苦悩も痛々しかった。やってはいけない事と分かっているけど一人では抱えきれない状態が続き、しかも子育ては24時間続く。

最後に理解してくれる陽子(池脇千鶴)の存在で少し救われたけれど…
ワンオペが困難極まりない事をつくづく痛感させられる。
鑑賞後、はぁ…“育てる”って本当に難しい事だな、という思いで頭が埋め尽くされた。
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