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きみはいい子のdarumaのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
3.9
「こちらあみ子」に名前が似てる(どうでもいい情報)…そういう子が出てくるっぽい?という事前知識で観ました。しかも同じ尾野真千子さん出演。めちゃくちゃよかったんだけど、「明日の食卓」っぽい(ここからあのキャスティング?)と思ったら、最後に予想外の方へ振れてちょっとビックリ。うーん、そこが個人的に惜しい。事前に監督と脚本が誰か見ていたのですが忘れてて後から、池脇千鶴さん、そうか!と納得。「そこのみにて光輝く」の呉美保監督&高田亮コンビです。

エンドロールで北海道民の皆さまと出てきて驚いたけど(エキストラだったかな)、監督でああなるほど!と。撮影地が小樽みたいです(そこのみにて~は同じ道内の函館)。全然気づかず観ていたので、もうちょっとよく見ればよかった…でもラストの坂は確かに!(小樽は坂の多い町です)

主演は高良健吾さん。学校が舞台の話で、ちょっと「怪物」を思わせます。BS松竹東急で昨日(6/14)放送していたので、このタイミングは意図的かな…?高良さんは小学校の新米教師。めちゃくちゃ似合ってました。先生って本当に大変だ…

高良さんの話と並行してもう一つの主軸が尾野真千子さん。こちらは未就園児を抱えるお母さんの役です。なので二人は共通するシーンはありません。ただ、もしかして、池脇さんの旦那さんが高橋和也さんで、高良さんと同僚の設定だったのかな…?(はっきりとは触れられないので想像です)

高良くんのお姉さんが内田慈さんで、テンション上がった!
好き。

池脇さんがどう転がるのか、最後までドキドキしながら観ていた。
最初から呉美保監督だって思って観てたら、そう思わなかったかも。

その、尾野さんと池脇さんの設定が…
「すべての物事には理由がある」なので、ああ、なるほど…ではあったんですが、個人的にはそうじゃないほうがよかったな、と思った。
現代病、というか。
全部を綺麗に環状に巡らせる必要はなくて、どうしようもないもの、を描いてくれた方が、リアルだったなと…
多分、これは私が母親だからだと思います。
(でも、それは明日の食卓で回収されているので今となってはいいです!逆順に観てしまったけど)

それ以外は満点だった。
揚げパンのくだりで泣いた…

あと、富田靖子さん。
あれは泣きますよね…

清水さん?の話が確か放置で終わってると思うのですが(最後まで居なかったような?習字が「桜」になっているのに1つだけ「麦」のままだった)、そういうのがまたいいな、と思った。
全部全部が解決されるなんて、そんな事あり得ないから。
そういう所が高田亮脚本のリアル。

原作は連作短編集なのですね。なるほどです。

呉美保監督はちょうど本作の公開年に御出産されているのですね。
この後は活動されていないのかな…?と思ったら、菅田将暉くんの「虹」というMVの監督をされていました!2020年です(wiki調べ)。
このMV、観ました!古川琴音ちゃんが出ているやつです。確か出産シーンがあったような…よかったです。今また観てみたら、ちょっと泣いてしまった。映画監督としてもまた作品を観てみたいです。
…と思ったら、ワールドワイドなオムニバスに参加されているのですね…!
杏さん主演「私たちの声」今年の9月公開、楽しみです。
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