れれれざうるす

アイ・オリジンズのれれれざうるすのネタバレレビュー・内容・結末

アイ・オリジンズ(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高な映画に出会ってしまった。余りにも心地の良い余韻がずっと続いている。今まで同じ映画は気に入っても故意に2回観ることはないですが有無を言わさずの2回連続。

瞳の写真を撮り、目について調べている分子生物学生のイアンが、美しい虹彩を持つソフィの瞳に惹かれて偶然が重なり再開・・・この時点では淡々と進むただのラブストーリー。
冒頭の様々な人の目の写真、青空に咲く向日葵のような瞳、耳に残るお洒落な音楽・・・心を鷲掴みにされました。開始すぐに好きと確信。

「貴方を昔から知っている、前世から繋がっている」
と、あまりにも台詞がお洒落ぶってるけど登場人物が賢いからか詩的や哲学的な会話がうっとおしくなくて良い。そして研究のパートナーであるカレンを含めた三角関係に発展、、てなると思うじゃないですか?なのにまさか下半身切断して婚約した日に死んでしまうなんて誰が想像したか…。あまりにも悲惨な別れ方。

後半、先程の“偶然の重なり”が“必然”だったことがわかるんですよね。前半の哲学や宗教な会話は全て伏線。ソフィの応える好きな食べ物、好きな動物、好きな偉人、、全て重要なシーン。ただのロマンティックな物語ではない。バスの中で普段は大人しい盲導犬に吠えられたのでさえ意味があったかもしれない。
イアンはカレンと結婚してるけど研究で共にしてるし7年も経てば自然な流れだと思う。
誰しも「ここ来たことある気がする」「この人初めて会った気がしない」などと思ったことがあるはず。要は“輪廻転生”です。それが“虹彩”によってデータ上に科学的に表れてしまったゆえに様々な人間の目で試すことに。そしたらまさかのソフィと同じ虹彩を持つ人がインドにいると判明。
これは完全に偶然ですけどね。登場人物が科学者で、偶然にも友人が目のデータベースにアクセス出来たからこその奇跡。100万人同じ状況になってもこの夫婦しかこんなことは起きないだろうな。
普通、旦那の昔の女の“生まれ変わりかもしれない人”のとこへ行かせないけど、むしろ推進するカレンが落ち着いて頭の良い素敵な女。伊達に研究パートナーと生涯のパートナーをしている訳じゃないね。いずれにしろ妻になってるのはカレンだったと思います。

なぜインドかなんて一目瞭然。
インドは“輪廻転生があるのは当たり前”だと思っている国だからです。そして前半でもイアンの口から出てくる「神なんて信じない」という台詞。日本とは宗教の概念が全く違うから頑なに貫くのは共感しにくいけど、神を信じないイアンがラストに「この子はソフィの生まれ変わりかもしれない」と思ったシーンで、時が止まると共に鳥肌と涙は止まらなくなりました。信仰により科学は覆されることもある。
語りすぎない切なさ残る完璧で素敵なラスト。

美しい碧眼をした7歳のインドの女の子。
「あんな人混みから見つけれる訳ないでしょ」と思うかもしれない。でも“前世で繋がってたソフィの生まれ変わり”
…ということは、
見つけたのは『イアンから』ではなく、『女の子から』なんじゃないかな。
だって、イアンとソフィの原子は137億年前から何度も何度も惹かれ合い、出会いを繰り返すのだから。


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同監督「アナザープラネット」やSFラブストーリーの「パーフェクトセンス」と似た雰囲気で、SF過ぎずラブストーリー過ぎず、かつ家族が全く出ないのに淡々と展開していくし言葉の言い回し的にも好き嫌いがバッサリ分かれそう。
主演がマイケル・ピットというのがアンニュイな感じがしてピッタリ。というか毎回思うけどなんであんなに唇可愛いの!?吸い付きたい!
レビューに一切書いてないけど、イアンの友人の生物学者の彼はウォーキングデッドのグレン。キャラはそのまんま(笑) 物語において良い意味で息抜き要素になってたと思う。

文章力がないのでダラダラ長文で面白さを伝えることも解釈も出来ないし、そもそも誰も読んでないと思うけど、とにかく久々にこんなにどストライクな作品に出会えました。パーフェクト!!幸せ!!
この映画のDVD,BDが発売されないなんて信じられない…。

ソフィと出逢った時とヘッドホンをかけた時に流れる音楽はフランスのThe Døという人の「Dust it Off」という曲。かなり気に入ったので何度もリピートした。歌詞を調べるとより一層物語に深みが出るので是非ググってみて下さい。