キルスティン

ヴィヴィアン・マイヤーを探してのキルスティンのレビュー・感想・評価

4.5
ヴィヴィアン・マイヤーという女性の存在は知っていて、確か謎の多い変わった女性だったんじゃなかったっけ…
そんななんとなくの印象だったが、彼女の写真には確実に惹き付けられるものがあった。

彼女の撮影した大量の写真たちは彼女の死後に発見され、「20世紀最高のストリート写真家」の一人と評され、全米で一大センセーションを巻き起こす。

冒頭、ヴィヴィアンと関わりのあった人たちの無言の表情が映されるが、これから明かされるヴィヴィアンという女性の意味深さを匂わせ、これは何かあるぞ感が伝わってくる。
生前のヴィヴィアンは乳母として生計をたてていた。ヴィヴィアンを雇っていた家主と子供の話からは始め、従順で、子煩悩で、外交的なヴィヴィアンの乳母っぷりが語られるが、ヴィヴィアンとの日々を振りかえる証言者たちの表情は徐々に変化し哀愁を帯びてくる。
ヴィヴィアンという女性は知れば知るほどに謎が増す。

死人は口無し…今は亡き人物について生きてるの者がなんやかんやすることの是非や証言に関しては話半分ということを前提とし、今作は構成がとてもよくできており、ヴィヴィアン愛が伝わるものに仕上がっていると感じた。

ヴィヴィアン・マイヤーをモデルにした映画が制作されることを望みます。
絶対おもしろいはず。
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