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野火のblacknessfallのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
5.0
明治維新から始まった脱亜入欧、出だしがうまくいったもんで、イケイケになり大いに傲り高ぶって色々やったあげくの悲惨な結末のある光景を容赦なく画き切った塚本晋也入魂の傑作。

"大東亜戦争"と勇壮な名を冠した先の大戦のこの国の戦死者の大半は餓死や病死だったと聞く。
軍の上層部や政治家、財閥等の支配者層の欲と保身のために無謀な作戦に投入され筆舌に尽くし難い窮状に投げ込まれ無惨に死ぬことになった彼等は"聖戦"に散った英雄として"英霊"として奉られてる。

神にされた彼等だが、それによって理不尽に使い捨てられ生を断たれた無念さが浄化されたのか?
悲痛な呻き上げながら見棄てられた者達の魂の声が聞きたい。

今日観るに相応しい映画。
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