混じり気なしの爽快感を得られるラスト。個人的には「ゼログラビティ」のラストと同種の感覚でした。
抱えていた問題を解決して、完全に切り替わった瞬間って特別な感情がわきます。
男女の愛の物語というよりは、一人の人間の再生物語として捉えています。
事故で妻を亡くしたが悲しむ事もできず、そもそも愛していなかったと述べる主人公デイヴィス。感情がストレートな分かりやすいタイプでは無く、彼自身もよく分かっていないため折り合いをつけられず奇行に走る。強く興味を持つのは機械を分解し中身を調べること。
後半に向かうにつれてどんどんぶっ壊していくんですが、見てても気持ちいいですね。
知り合った少年クリスとの悪友感もとても良かったです。見た目は12歳の15歳、中身は大人の生意気少年。歳は離れていようが対等な関係性にみえました。
音楽の趣味も良い。
ラストもクリスの粋な計らいがあり、デイヴィスの再生に華を添えています。
人の立ち直り方は人それぞれで良い。
主人公の訳わからなくなっている様から、ヴィヨンの詩「軽口のバラード」を思い出しました。