映画くらい夢を見たい勢を即死へと導く作品であり、ドがつくリアルな現実が描かれている香港映画。
観ていて正直 憂鬱になる時間は多いけれど、完璧ではないリアルな登場人物であるタンと父親が、折り合いをつけ寄り添う様は人間臭くて良かった。
介護うつにより母親を死なせてしまうタン。仕事、社会的評価、人間関係の多くを失い追い詰められているタンの行動は、より周囲との壁を作り上げてしまう。
アメリカに住み家族には関わろうとしない弟、介護するタンよりも弟を頼りたい母親、ずっと疎遠の父親。
それぞれ抱える思いや苦しみがあり、誰も満たされている様子ではない。というか気づけば笑顔が無い、この映画。
捨てる事は簡単だけれど、臆病のままでいたら自分を永遠に憎むとラストで話す父親。息子のためにも自分のためにも、寄り添うという意思を示してラストを迎えていきます。このカウンセリングでの父親の告白は、名シーン。
天上天下唯我独尊レベルの健康優良児メンタルのときに観るのがオススメ。
