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クリムゾン・ピークのしゃにむのレビュー・感想・評価

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)
1.5
「憑いてねぇ…」

↓あらすじ
20世紀初頭のアメリカ。大手建築会社社長令嬢は母の死の衝撃で幽霊が見えた。特殊な経験を生かして小説を出版社に送るが女性ということだけで相手にされない。そんな折にイギリスから準男爵の貴公子が渡米、新発明の掘削機のスポンサーを社長に頼み込む。胡散臭さ全開の自称準男爵を怪しみ社長は彼を相手にしなかった。準男爵は社長令嬢の小説を褒めちぎり親密になる。娘に近づいたことに社長が逆上、男は母国へ帰ることに。準男爵が母国へ帰る前日、社長が変死。身寄りがなくなった令嬢は準男爵と結婚し彼のイギリスの屋敷に引っ越す。引っ越し早々、屋敷に巣食う悪霊に立ち去るよう警告を受ける。準男爵と彼の姉との生活は幸せそのものだったが徐々に2人の秘密が明らかになり…

・感想
不人気オカルト番組「家、憑いて行ってイイですか?」初の海外ロケ特別編。毎年夏場に決まって湧いて出るオカルト番組のようなきな臭さ胡散臭さが露骨な作品である。キャストから既に先が読める。ロキじゃないか…演じた役のせいで胡散臭さが身体中に染み込んだ彼が出てくるだけで察しがつきソー。観る前から薄々感づいてしまう。まぁ先入観を排除しても、令嬢に露骨に近づき都合よく頑固親父が死んでしまう、それからぽんぽんと結婚、引っ越…展開ぎ都合が良すぎて怪しまない方が無理があるだろう。なにかインモー(陰謀)が絡んでくるのだろうと事前に察知して仕舞えば身構えて衝撃が和らぐ。やらせ番組でタレントが「憑かれた」と体調不良を訴えた時にげんなりする具合に。少しは怪しさを抑えて進まなければ、なかなか驚けない。何かしら裏があるのだろうと全然バレバレだから親切に驚きに苦心する羽目になる。

肝心の亡霊(?)にしても生々しい血の紅色が鮮やかだなぁと思うくらいで怖くない。ドキッとするポイントがあまり無い。そこは典型的な洋ホラーである。来るぞ来るぞとご親切に前振りしてくれるから分かりやすい。ホラーね、という具合に。和ホラーは煙みたいにふっと現れるから不気味である。前者の驚かせ方だからあまりビクリとこなかった。考えてみれば、悪霊自体が主題でもないから物足りなく感じても仕方ない。今作の主題は旧家の血まみれの歴史と呪縛であろう。この屋敷周辺の土は血のように赤い。まるで屋敷から血がにじみ出たような真っ赤な景色。屋敷に出現する亡霊は血の持ち主達。何故これほど血が流れたのかを解き明かすのが趣旨。しかしながら記憶にない…記憶に残らなかった(ということで自分で観て下さい。)印象的だったのは姉と弟に隠された秘密だろう。本家分家の骨肉の争いではなかく意外だった。セットは素晴らしい。それくらいしか記憶に無いのでこのロケはお蔵入り。
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