ギレルモ・デル・トロ監督渾身のゴシックホラーミステリー？衣装も美術も全篇どこを切っても手抜きなく、たいそう美しいが、監督自身によるオリジナルストーリーは分かりやすい衝撃展開で実がない。なんとなく筋が読めちゃって、童話「青髭」を思い出した。ティム・バートン作品からユーモア要素抜いて薄口にしたような出来。「お母さんさぁ、娘にはもっとわかりやすく忠告してやんなよ」って突っ込みたくなる。主人公イーディス役のミア・ワシコウスカは本作のイメージにハマってて相変わらず美しいけど、かわいかった頃と比べてしまっていけない。ジェシカ・チャスティンも恐ろしくも美しく、冷酷な感じがナイスキャスティング。イーディスが恋に落ちる、影のあるトム・ヒドルストンも良かったが、イーディスを想い続け、助けに来る医者役のチャーリー・ハナムも正統派男前で好印象。イギリス クリムゾンピークなる土地の屋敷の中が隙間雪舞って何しろ寒そう。ホラーとしては大して怖くないが、女性の嫉妬と執念が怖い。
