Haruna

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のHarunaのレビュー・感想・評価

3.5
高速道路を走る車中での86分間、という空間で会話劇だけで物語は進んでいく。
映像としての登場人物はただ一人だけ。
あとは全て電話越しでの声のみ。
普通は回想やらなんやら入れたくなるけどそこを全部カットしてシチュエーションを絞った点が今作の秀でたところ。

映画自体も86分(私が観たのは84分だった…)で映画の中の時間とも一致してるから緊迫感や主人公やその周りの心情やその変化もリアルな感じがした。
またそれを声(声色)だけで視聴者に伝えているのが凄い。

原題が“Locke”となっていて主人公含むロック家の話だからじゃないか、と言われて改めて洋画における原題のシンプルだけど奥深いものを感じた。

また終わり方も高速道路を降りたところで終わっていて視聴者にあとを想像させる作りにおとしたのも、今までずっと声という視聴者に委ねる形の見せ方をしてた映画ならではな気がした。
窓から見える夜景やバックミラーを使ったカット、父親(幻聴?妄想?)との会話が印象的だった。

果たしてロック家はこのあとどんな人生を歩んでいくのかな?

建設の地盤の話が主人公の現状と被っている、という解釈はなるほど!と思った。
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