中東で古代エジプト文字が刻まれた石棺が発見された。
発掘に立ち会った米軍関係者のニックと考古学者のジェニーは、調査のために棺を英国へ輸送する。
しかし、途中でニックを乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落し、棺は行方不明になる。
ハリウッドの伝統的モンスターを次々に登場させる予定の、ダーク・ユニバースシリーズの第1弾。
何と、1930年代に製作された『ミイラ再生』を再映画化し、トム・クルーズが主演する超大作に、かなり強引にグレードアップした作品。
製作するほうも、現代で今更モンスターを使ってホラーを作るというのも時代遅れ的なのは判っているから、むしろキャラクター・ドラマに近いつくりになっていて、しかもトム・クルーズ主演なだけにユーモアとアクション満載の冒険活劇色が前面に出されている。
不評を耳にしていてハードルを下げて観たせいか、そんなに悪くはなかった。
ただし、トム・クルーズ主演という事でアクション・アドベンチャーを「過度」に期待するとガックリします。
この作品は、古代エジプトにおいて、生きながらミイラにされ封印された、呪われた砂漠の女王アマネットが、現代のロンドンで甦り、部下のミイラたちを操って、死の神セトの復活を目指す・・という、この手の映画ではお馴染みのストーリー。
今回は甦るミイラが因縁を背負った王女であったり、アクションの得意なソフィア・ブテラがミイラを演じているだけあって、こういった作品の中ではかなり経毛色が変わった物語となっていて、先の読めない楽しさがあった。
彼女の出番を増やして、もっと最強のミイラだったらもう少し面白くなったかも。
本職はダンサーのようですがもっと映画にも出て欲しいです。
あと、捕らえられたミイラ女王に拷問にも似た捕獲作戦をとるところが、いかにもイギリス的。
しかしながら、いろいろ中途半端で尻すぼみ感があった。
アイデアは良いんだろうけど脚本がイマイチなんでしょう。
いちおう何部作の1作目ということで納得しなければ、映画としてはバランスの悪い作品。
本作は「ダーク・ユニバース」シリーズの導入ということだが、本作でこけてもシリーズとして制作されるんだろうか。