チッコーネ

フェデリコという不思議な存在のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.0
再現ドラマ形式が続くため「いやだなぁ」と思ったが、途中で「あ、これエットーレ・スコラの監督作なんだ」と気付く。
フェリーニと厚い親交があった彼のみが知るエピソードなら、存在意義は充分にある。

しかし個人的に最も印象に残ったのは、『カサノバ』の企画時に撮られた、アルベルト・ソルディのスクリーン・テストだ。
台本も渡さず、カメラの前でカサノバになれというフェリーニはひどいのだが、見た目は役柄からほど遠いソルディが表現する『カサノバの喜怒哀楽』に、大爆笑。
意外な役者がすごい魅力が秘めているものだと、感心させられた。