とりさん

さよなら、人類のとりさんのネタバレレビュー・内容・結末

さよなら、人類(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アキ・カウリスマキ監督の作品を思い出されました。
北欧の作風はこんな感じが多いのかなぁと。

ハリウッド文化に慣れ親しんだ日本の大衆文化にはあまり合わないかもしれません。(^_^;)

この映画、三部作の最後と言う事で全部観た方とは感想が異なるだろうし、そもそも素人の私に北欧映画の何が解るかとご批評を言われそうなので、今回も自分勝手な感想をあげさせて頂きたいと思います。m(__)m

まず、この映画は美術館の芸術作品のごとく、各人それぞれ自由に感じる作風だと思いました。

各人のありふれた人生の絵画をオムニバスとし、それをサムとヨナタンか繋げている印象。
焼き鳥の肉をオムニバスとすると、サムとヨナタンは焼き鳥の串って感じです。(笑)

じゃあ味付け(テーマ)してまとめなきゃ!
それで、私が感じたテーマは「面白いってなんだろう?」と言う問いかけでした。

最初の死のシーンもそれ以降写し出される人生のひきこもごもも、第三者から見たら滑稽な「面白い」事に見えてしまう。
そう言えば、サムとヨナタンも「面白い」モノを売ってましたね。

でもね、自分が「面白い」ものでも当事者にとっては「面白い」ものなのかな?

最後に近いシーン
奴隷を巨大な缶に詰め込み蒸し焼きされる苦悶の足掻きと阿鼻叫喚の悲鳴を、富と地位がある人々がハーモニーとして聞くその姿が「面白い」を見飽きた成れの果てに見え考えさせられました。

人身事故起こした電車や事故の様子を写真撮ってSNSであげたり、面白がって拡散したりする人の心理ってこんな感じなのかもしれませんね。

人間は笑い袋程度の「面白い」で充足する程度が最適なのかもしれない。
そんな気持ちを抱きつつ映画館を出るのでした。
とりさん

とりさん