KSat

さよなら、人類のKSatのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
3.6
カウリスマキのようでいて全く違う、新しい感覚の映画。

...いや、これは映画なのか?
ひたすら続く引きの画の長回しは、「イメージ」というより、もはや「ミニアチュール」である。自分は、割と初めの方で、これを映画として観るのをやめた。

映し出されるのは、いつの時代ともつかぬ時代の、しかし紛れもなくどこかにいたであろう人々の営み。シュールなユーモアを孕みながらも、決して妥協することなく我々に喰ってかかるような毒にまみれたその姿勢は、一言でいえば「どうしたらいいかわからない」。

邦題の間の抜けた印象とは裏腹に、原題はスウェーデン語で「実存を省みる枝の上の鳩」という意味らしい。たまも出てこないし、ピテカントロプスになる日も近付かないが、ひとつ確かなことは、結局、我々は何も進化していない、ということだろう。

元気そうで何より。
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