ニクガタナ

チャップリンからの贈りもののニクガタナのレビュー・感想・評価

3.3
1978年にスイスで実際に起こったチャップリン遺体誘拐事件から着想を得た、考えなしのどん底なお調子者エディとその親友オスマンによるクライム・ヒューマン・コメディ。邦題の 贈りもの とは盗人猛々し過ぎだが、生活に困った犯罪者の事情も分かる、そして金持ちを狙った身代金目当ての遺体の誘拐という事で、つい情状酌量しちゃう近年流行りの優しく許せる犯罪もの。棺の盗掘計画がほぼ無計画なうえ、ドジを重ね、身代金交渉模様も見てられないくらいの間抜けぶりでおとぎ話が過ぎる。ミシェル・ルグランの手による劇伴は良く、画の雰囲気も悪くないが、主演二人がどうも魅力的に映らず。オスマンの娘ちゃんもあまりぱっとしない。で、そうこうしてるうちに不思議な収まりを見せるハッピーエンド。チャップリン作品は数本しか観てなくて、散りばめられてるらしいオマージュがほとんど分からないのがちと残念。「ライム・ライト」を観てないのが致命的。エディが道化師として面白いとはとても思えないのでラストはまったくピンと来ず。
ニクガタナ

ニクガタナ