オカルトチャンピオン

わたしに会うまでの1600キロのオカルトチャンピオンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

タイトル通り、人生が迷子になってしまった女性が自分に会うまで1600キロ歩くはなし。
初めての山歩きで記憶を思いめぐらせながら一歩一歩進んでいく。
1600キロって生半可な距離じゃないし、それだけ彼女が背負った人生は重かったわけで、見失っていた自分を見つけるまでそれだけの距離と時間が必要だったんだろう。

子供のころから父親に虐待を受けていて、SEX中毒、母親の死後、薬物中毒とどの時点での自分が正しい自分なのか、きっとどの時点でもフラットな自分はいなくて、作中でも彼女が言っているように母親が"あなたを産んで良かった。最高の人生だった"って言ってくれた自分に出会いたかったんだと思う。
だから、山中で出会った子供が歌ってくれた歌が母親の口ずさんでいた歌だったときは、膝から崩れ落ちて泣いてしまう。

人生うまくいなかいことばっかりだけど、彼女のように自分と出会う方法の見つけ方が本当に大事だなって思う。
この小説か映画出てからパシフィック・クレスト・トレイルを歩く人が増えたって聞いたけど、作中にもあるけど、何もないところで危ない男に狙われたら怖すぎるから女性は気をつけたほうがいいな!っていう感想。