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マリリン 7日間の恋の380のレビュー・感想・評価

マリリン 7日間の恋(2011年製作の映画)
3.5
1939年のGoneWithTheWindと1952年のStreetCarNamedDisireでオスカー・ウィナーとなり済みのビビアン・リーが出て来て「私はもう歳だ歳だ」言い過ぎぐらい言ってます。夫のローレンス・オリビエとマリリン・モンローが共演するThePrinceAndTheShowgirlの撮影現場です。モンローにめっちゃ嫉妬してる様子が描かれていました。
映画の公開は1957年。マリリン・モンローも既に「ブロンドでセクシーなだけのアホちん」といった評価にウンザリ→アクターズ・スタジオでメソッド演技法を学び→自身のプロダクションを創設→1955年のSevenYearItch、1956年のBusStop等で女優としての力量を評価され済みといった段階の出来事。

彼女が遅刻したり周囲の人間を振り回しても「女優って大変なんだから。」といったスタンスのジュディー・デンチ演じるシビル・ソーンダイクだとか劇中概ね、モンローが本気出したら凄い凄い言われていた。
私は…そんなに?って思っちゃいます。そんなに目を見張る程の演技力ってもの、存在するのかな?って思っちゃいました。綺麗さに目を見張る感じなのでは?って思うんですよね…

因みに余談ですが私が「目を見張る程の演技」と聞いて思い浮かぶのはUnfaithfulのダイアン・レインかな…ぐらい。他はメイクや服装やセット等で創り上げられて、結果映画全体としてイイ感じ。ぐらいじゃないかと思うので、今回この作品中で言われているような…
テイク1→駄目
テイク2→駄目
テイク3→すっご!
みたいな物が存在するかってちょっと疑問です。

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私ですがアカデミー賞受賞式は子供の頃からホント好きで、リバー・フェニックスがRunningOnEmptyで助演ノミネートされた年ぐらいから毎年気に掛けて来ました。で特に2001年、子供の頃からずっと応援して来たジェニファー・コネリーが助演賞を獲った事、2005年には大好き過ぎてウィステリア・レーンに住みたいとまで思っちゃうDesperateHousewivesのフェリシティ・ハフマンがTransamericaで主演ノミネートされた事がエキサイティングで可能性のフェアさに感動した事、2009年コメディエンヌだからオスカーとか無縁かなと感じていたサンドラ・ブロックが賞狙い見え見えのわざとらしいドラマではない作品で主演賞を受賞した事…
等の理由から、これぐらいの時期(この作品が公開され、ミシェル・ウィリアムズが各賞レースを総舐め、オスカー・オッズが高まっていた時期とその前後何年か)、アカデミー賞の女優部門への私の関心は超高まっていました。
男優部門は…何か…仕事への評価って感じがします。獲ってギャラを上げたり権力を手にしたりしたい。そうゆう男臭い汚い部分も見え隠れします。言ったら名を上げたい政治家みたいな。
一方女優部門は、ギャラの低さが問題とされて来た事からも分かるように、獲って、金。とかじゃない訳です。メリットは色々あると思いますが、凄く特殊で華やかで、地球上でも何か本当に特別な位置付けのものだと私は感じています。その時代時代を象徴し、美しく、芸術作品を創り上げる事に熱心に取り組んだ女性。マリリン・モンローと彼女を演じたミシェル・ウィリアムズの事ですから、今回やっぱりそこら辺に思いを馳せずにはいられません。

ミシェル・ウィリアムズのキャリアの順調さには驚かされました。ブロークバック山、青バレンタインでノミネートされた時、ドーソンズ・クリークから此処迄上がって来ちゃうんだ!ってビックリしました。且つこのMyWeekWithMarilynのプロジェクトが持ち上がった時、モンロー役を彼女が???ってなりました。エキセントリックな感じ、貧乏な家の主婦とか似合うけど、マ、マリモンを彼女が???と。

出来上がってみたら見事に演じきってました。歌も本人の声だし踊りもこんなに出来るんだ!と驚きました。大変なプレッシャーだっただろうと思いますし、オスカー・ノミネーションも当然だと思います。獲るかもと思ってましたが…
マリモン×ミシェル・ウィリアムズ

サッチャー×メリル・ストリープ
に負けてしまいました。
たしかにこの競争でメリルが負けたら…バランスは欠きそうですよね。

酷評でしたが私はナオミ・ワッツのダイアナも好きでした。キッドマンのグレース・ケリーとポートマンのジャクリ〜ン・ケネディ〜はまだ観れてません。マーゴット・ロビーのトーニャ ・ハーディングはこれまた素晴らしかったです。今後の期待はエマ・ストーンのキング夫人かな。オスカー狙いの実在人物役ブームはもう少し続きそうですね。

映画はコリン・クラークさんの視点で描かれています。なのでモンローさんのバイオピクとしては足りてなく、生い立ち等チラッと語られる程度。平凡な人間の、偶然ラッキーによるスターとの色恋沙汰物語。で終わらせて良いのかな、どうなのかな。って事をもう少し考えてみます。本作のテーマを。

それから…
◇最後の酒場の場面、凄く良いですよね。
◇エマ・ワトソンが九州女子(?)みたくキリッとしてて、凄く良い感じでした。
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