ふっくー

ベン・ハーのふっくーのレビュー・感想・評価

ベン・ハー(2016年製作の映画)
3.5
1959年に製作されアカデミー賞11部門を受賞したウィリアム・ワイラーの歴史的スペクタクル超大作を「ウォンテッド」「リンカーン秘密の書」のティムール・ベクマンベトフ監督がリメイク。

オリジナル版に比べて話の基本的な流れは同じですが、色々と改変や、人物の違いなど4時間の大作を2時間でわかりやすくスピーディーに描いた印象。
メッサラとベンハーの友情物語に力を入れた内容になっており、オリジナル版で最後の最後まで憎しみを込めていたメッサラとは違い、今作はラストシーンで抱き合い2人の友情がまた芽生える形となっている。

ベンハーが捕まってしまうきっかけが、偶然ではなく、明らかな過ち(少年が弓を放つ)であったり、キリストの顔が割とはっきり見えていたり、キリストが水をくれるシーンの変更であったりと緊迫感が薄れてしまっているのが残念なところではありますが、そもそも1959年のオリジナルと比べて見てしまうことで、評価が低くなってしまうのはリメイクの宿命ですよね。
エメリッヒ版「ゴジラ」がゴジラ映画として見た場合に、酷評されてしまうけど、モンスター映画として見るのであれば、それなりの面白さがあるように、今作も「ベンハー」という名前ではなく、別の作品として作られたものであると考えれば、かなり凄い作品ですよね。
まぁ残念なことにこちらはそんなこと言ってられないベンハーのリメイク作品なので、それでは許してくれないよね笑。
ただ、ラストの戦車競走は実写でやることに拘ったのはオリジナル版と同じで凄い迫力がありました。

ティムール・ベクマンベトフ特有のスローアクションは影を潜めているので、エンドロールまで、彼が今作の監督だったのは気づかなかった笑。

現代版ベンハーという形で、一つの映画としてかなり見やすい作品になっているので、オリジナル版の4時間という大作にまだ手を出す自信がない人にオススメ!!!
ふっくー

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