kogemarukiyomin

君が生きた証のkogemarukiyominのネタバレレビュー・内容・結末

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

大学の銃乱射事件で息子を失った父親の話。
息子の死の真相や理由となかなか向き合えなかったサム(ビリークラダップ)は仕事も辞め堕落した生活を送っていたが、息子の遺した歌を歌い始めた事で物語が動き出す。
バーでサムの演奏に一聴惚れした青年クエンティ(アントンイェルチン)が一緒に音楽をやろうと必死にサムを口説くのだけれど、なかなか釣れない。なんだか恋の始まりを見てるみたい。
ギターが2人からドラム、ベースと増えて音に奥行きが増して人気を得るとバーのレギュラーバンドへ。本当に楽しそうで楽器を扱える人が心底羨ましくなるし、一曲一曲が丁寧に作られていてそれだけでも観て良かったと思える。
でも銃乱射事件の真実が徐々に明らかになると楽しい気持ちから一転する。最初から違和感を覚えつつも言葉を失ってしまった。
遺族にも色々な立場があって、それぞれの苦しみを一生背負っていかなければならない現実がある事をあらためて思い知らされた。
今は亡きアントン君のシャイな笑顔と、ラストのビリーグラダップが歌う「息子」が切な過ぎて頭から離れない…本当に良い作品だと思う。